Las caracol 2015秋冬号
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今回はレンガについてお話しします。レンガは土を焼いて作るものと単純に成形して乾燥させただけものがありますが、ここでは土を焼いたレンガについてお話しします。 身近にある土を立方体にして火で焼くというシンプルな加工で出来上がるレンガは全くの天然というわけではないのでしょうが、きわめて天然に近い素材だと思います。 地震の多い日本ではレンガを積んで作るレンガ造の建物はあまり見掛けませんが、西洋では古くから建物の構造体としても使用されています。レンガを構造体として建築するには時間(手間)と費用が非常にかかり、難しいものですが、レンガの持つあたたかみや素朴さ、不揃いの味わいを愛する方はたくさんいます。 レンガは水を通しますが、水に濡れても変形したり変質したりしないので耐久材としてすぐれており、建築の材料としては外装材として使用されますが、内装材としても注目されています。 ひとつは、暖まりにくく覚めにくいという蓄熱性も高胃ので、室内の温度調整装置として。もう一つは不揃いの安心感とでも言いましょうか、人は均一すぎる環境に長くいるとやや不安定な心理に陥りやすいそうで、多少の不均衡は脳にとって刺激になってよろしいそうです。 では具体的な使用例を。もともと土が原料なので緑との相性もよいので花壇や舗装材として使います。一歩すすめてレンガを積んで塀を作ったり、水場を作ったりも楽しいです。外壁も使いますが、全面では重いのではとお考えならアクセントとして使う方法があります。シャープな形状の建物に暖かみが加味されます。 内装でレンガの場合は、レンガタイルといってレンガをスライスしたものを用いることが多いです。レンガの色味をそのまま見せたり、ペンキをぬって年月が経たような味わいを出したりします。カフェの雰囲気を持ち込んだような仕上がりは変化に富み親しみが出ます。 さていかがでしょうか。このシリーズのコラムで毎回締めくくられるように、レンガも時を超える素材なので、長い歴史のなかでも色褪せることがありません。家庭に寄り添い深い味わいを時とともに愛していただけると願っております。Studio SHAPE日野 明美Akemi Hino一級建築士インテリアコーディネーター2001年より、Studio SHAPEとして独立『お客様の思いを形に』を軸に1年1棟のペースで住宅を中心に新築を手がけ今日に至ります。木造のほか、鉄骨造、鉄筋コンクリート造にも対応可能です。【HP】 http://www.ne.jp/asahi/vale/labo-ark/index.htmlレンガをペンキで仕上げた例外壁にアクセントとして使用した例レンガをそのまま使った例vol.4レンガをつかう自然素材×Y’s satellite碑文谷建築家に学ぶY’s satellite碑文谷女性建築家相談会土曜・日曜11:00-17:30※変更する場合もございます
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